2009年2月15日日曜日

コピーバンド

昨晩はいつも行くライブハウスでビートルズのコピーバンドが出演しました。私はマニアでないので詳しくは評せませんが、オリジナルに忠実で演奏も完璧でした。ビートルズの曲はたくさんありますから、特にファンでなくてもなじみの曲や好きな曲はあると思います。誰もが何らかの形で楽しめるライブでした。
それを聴きながら思ったのが、生き人形のことでした。人の形をつくる人形作家にとって、本物の人間はいわば、オリジナル。どれだけそれを忠実に再現できるかという、明確な技術的到達目標が与えられるのだと思います。多くの人にとって、ひとがたのデフォルメから入り、人形制作を進めるうちに、技術の向上を目指してリアルな描写を競い合うという傾向が数年前に見られました。折しも生き人形の展示が相次ぎ、松本喜三郎ら職人の仕事への再評価が高まった頃でもあります。偶然ですがその頃、欧米でもドイツのグンツェルをはじめ、人形作家の表現はリアルさを増していました。
では、その技術への希求が行き着いたその先は? 
そこに留まり職人の精神性を追求する人もいれば、様式化に再び向かう人もいる。国内外とわず方向性を見失っている人も見受けられます。
ブームから時間がたった人形の動向をさまざまな視点でみると、現代という時代が浮き上がって見えてくるような気がします。