黒人やジャズ・ミュージシャン、今は文士をテーマにひねりの効いた上等なユーモアセンスを感じさせる人形と写真作品を作り続ける石塚公昭さん。
しばらくごぶさたしていましたが、年賀メールに最近のお仕事の報告がありました。
東京の都営地下鉄にある「中央公論Adajio」の表紙を制作されています。
モデルがあるポートレートは、絵も人形も、どうしても作者本人を映し出すような「癖」のようなものが気になってしまうものが多いように思います。でも石塚さんのポートレート人形や写真は、そういうものを感じません。見た人によって感想が違うかもしれませんが、彼が愛すべきモデルに抱いている感情の「透明性」のようなものかと思います。石塚さんらしさを指摘するとすれば、その上質なユーモア感覚でしょう。洗練された噺家の落語のような。
彼の「身辺雑記」も面白いです。今は、小津安二郎を制作中、だそうです。