2009年1月19日月曜日

「くるみベビー」とオバマ大統領就任

フランス在住の大島和代さんから、「平和への願い」と題して作り続けている「くるみベビー」が、ついに1000体に達したとの連絡が今日入りました。日本でも写真や実物が折に触れ紹介されているものです。
なぜ今日か? 
明日はオバマ大統領の就任式です。大島さんはこの人形を千羽鶴のように千体つくることにご自分の平和祈願をかけてきました。お父上が原爆被爆者であった経験から戦争への恐怖は肌身をもって感じている大島さんは、湾岸戦争が勃発したときに地続きのパリで、ものつくりでしかない自分の無力さを思いとても落ち込んだそうです。しかし様々な本を読んで希望を取り戻し、「くるみベビー」の展示を通して世界平和の願いを訴えたいと考えるようになりました。その話は近々、アメリカDOLLS誌に掲載される予定です。

そんな折に誕生するアメリカ新政権。オバマ大統領による政治の変革に期待をかけ、就任までの彼の無事を願い、大島さんは今日までに目標の1000体を仕上げられたそうです。
100年に一度の経済危機や世界紛争の解決への希望の核に据えられるオバマ大統領の重責は、我々庶民が想像できるようなものではないと思います。既にほころびがでました。ガザへのイスラエルの攻撃に対して、クリントン次期国務長官を通してイスラエルを擁護する見解が出され、失望する人は多かったと思います。これは、アメリカという国のスポンサーである軍需産業を温存せざるを得ない限界を既に示してしまってます。
でもこれでは何も変わらない!
幸い、アメリカには自浄作用があり、自らの毒を自ら糾弾します。ガザ侵攻の悲惨な状況も、アメリカのニュースでは年末から昼夜問わずずっと流していました。これからはオバマ政権に期待するからこそ、方法や政策を批判する声もアメリカ国内で多くあがることでしょう。
これに対して日本のメディアの取り組みの反応の鈍さをずっともどかしく思っていました。さらに、日本の政治家もメディアも、国際関連になると日本がどうみられているか、日本がどう取り上げられたか、という話ばかりの自意識過剰気味な報道。もう、そういうレベルを脱してほしいと願います。せめて、日本のメディアは横並びの報道を、いいかげんに卒業してほしいものです。