DFJ終盤の頃から意識をしはじめて今もこだわっていることに、人形は人形と呼ぶ、ということがあります。「DOLL FORUM JAPAN」という誌名にも、自己矛盾を感じ、2006年にリニューアルするときには「NINGYO SCENE」、「人・形ノート」としました。
<DOLL>という単語は、日本語の<人形>が意味するものをすべて含んでいません。その単純なことに気づいていない人が多く、<DOLL>=<人形>と思い込んでしまう傾向があります。「ドール」という言い方が流行りだしてから、私の意識は強くなって行きました。
日本の漫画が欧米のコミックを凌駕するフィールドを築いていったことで、海外ではMANGAという単語が定着しました。そのように、NINGYOは国際語になって然るべき言葉です。その深い精神性、表現媒体として人形造形に取り組み、DOLLに違和感を覚える海外の作家たちにとっても、必要な単語です。
私は海外の雑誌に原稿を書くときは、努めてNINGYOと書くようにしています。