2010年1月24日日曜日

レンピッカ展図録編集、終盤戦

1月7日にお尋ねした件、解決いたしました。
今後、このようなことがないよう、コヤーラ・クラブへの入会受付は郵便振替orゆうちょ銀行の口座へのお振り込みで一本化していく予定ですので、よろしくお願いいたします。



しばらくブログにも何も書き込めなかったほど、年末からここにかけて、「レンピッカ展」の図録編集業務に追われていました。正月もなく連日徹夜でした。その作業もようやく、トンネルの先が見えてきた感じがします。
日本語の資料があまりない画家であるだけに、今度の図録は日本でレンピッカを知るための決定的な資料にしようという意気込みが、主催者にはあります。私は編集作業を通して、この作家の絵や生涯とはじめて向き合うことになりましたが、人形や人物イラスト、すなわちアイコンの表現を求める人々にアピールする内容だと思いました。
美術の知識や絵画技術、育ちの良さをバックボーンに、美しく自己演出しながら上流社会で得た人脈で、富と名誉と安定を自分の力で獲得したレンピッカ。ともすれば、そのキャラクターや浮き名ばかりに注意が向けられますが、作品自体は非常にクール。マドンナやジャック・ニコルソンの心を捉えたレンピッカの絵の魅力は、あの「目」につきるのではないかという気持ちがしています。レンピッカの伝説の核にあるものは、あの「目」の表現だったのではないかと、私は見ています。
彼女が人生の後半で人物画から離れて挑戦した抽象画が、ほとんど注目されなかったというのも、そこに理由があるのではないかと思います。(彼女の抽象画も、なかなかいいと思うのですが、確かに彼女の肖像作品に値するインパクトには欠けます。)
そうやってみると、人形好きの人たちが、人形の目にこだわること、天野可淡はじめ、人気のある人形作家の「目」とも共通点がみられないでしょうか?
それは、他のサブカルチャーの表現や人気の分析にもつながる話になっていくのでは、、、と思いつつ、レンピッカ図録は仕上げの終盤戦に入っております。