2008年12月31日水曜日

八ツ頭


八ツ頭とはよく行ったもので、まさしく人面イモ。
なんでも人の顔にみてしまうのは、性(さが)ですねー。
三内丸山遺跡の縄文土偶にそっくり。
背景はゴボウさんとサトちゃんでした。

今年は大変お世話になりました。
来年は世界創作人形展開催! 
どうぞよろしくお願いいたします。

2008年12月30日火曜日

ゲイル・ラッキー

「世界創作人形展」にアメリカのゲイル・ラッキーをアップしました。
ティム・バートンやファンタジーの世界が大好きな作家です。活動歴は古く、私がこの仕事を始めてアメリカに行った最初の頃から知り合いました。彼女は欧米の作家のなかでもいちはやく日本の創作人形の動きや表現に注目し、アメリカでの私がプレゼンを行う度に心待ちにしてくれた一人です。
アメリカ人には基本的に、正義感に満ち誰にでも寛容であたたかく、フェアであることを大切にする気質があるのではないかと思います。それが建前や理想にすぎない人も多いですが、そのものを生きて実践している人に接すると、とても心打たれます。ゲイルもそんな一人です。残念ながら来日できないようです。
でも最近のシリーズ、「幽霊ちゃん」シリーズを日本で見られるのはとても楽しみ。かわいいゴスふうの一点物の人形です。人気があって制作が忙しいのでしょう、連絡のやりとりも大変そうで、フォトアルバムでは写真の数が少ないのですが、本人のウェブでは作品がたくさん見られます。

2008年12月28日日曜日

へニー・コフリーの功績

あまりインターネットのことは詳しくなりたくなかったのですが、しぶしぶHTMLの解析みたいなことをして、なんとかうまくいきました。ふう。
フォトアルバムにフェレナの画像が入りました。あと、年内にアメリカのゲイル・ラッキーの画像をアップする予定です。

あと数人、資料がまだ届いていない作家がいて、その一人、オランダのへニー・コフリーから音沙汰がないので、昨日電話をしました。彼女はいつも、手のこんだ美しい自作のクリスマスカードを送ってきてくれるので、それも届かず、心配でもありました。不安は的中、怪我をして床にふせってしばらく自由に動き回れないそうです。おまけに電話の具合も良くなくて、PCも見られなかったりさんざんだったらしいです。
彼女は2003年に東京国立近代美術館工芸館から巡回で開催された「今日の人形芸術ー想念の造形展」の影の功労者でもあります。それまでは人形に関しては国内作家の紹介と収集にとどまっていた近代美術館ですが、DFJを資料購読した学芸員がへニーの書いた記事に注目、へニーを含め海外作家を取り上げてくれたのです。今、同館にはその時に紹介されたアクセル・ルーカスやシルヴィア・バンケの作品などが収蔵されています。へニーの記事は98年に発行した16号と17号の「なぜ、人形なのか?」です。まだアラビクさんに在庫はあると思いますので、ご関心のある方はお問い合わせになってみてください。

2008年12月27日土曜日

フェレナの画像

「世界創作人形展」のインフォのページなどマイナーチェンジしています。
また、来日予定作家も確定分を、artistのページに掲載しました。
フェレナの画像が届いたのでアップしようとしたのですが、レイアウトでまたしてもHTMLの壁にぶちあたりまして、何度トライしてもずれてしまうところあり。ウェブ制作ソフトとアルバムのソフトの会社が違うからかなあ、と原始的な理由しか思いつかないトホホレベル。
とりあえず、早く見たい!という方は上記のタイトルをクリックしていただければ、フェレナのアルバムのページに即、ジャンプできます。
フェレナ、ちょっと疲れた感じに映っているかもです。あの電話から自分の写真を撮ったのかなー。

2008年12月26日金曜日

大竹京さんの人形

アメリカの「DOLLS」誌のために、大島和代さんに続き、大竹京さんについての記事をまとめているところです。
今回インタビューして改めて知ったのが、彼女と人形とのそもそもの関わり。小さいときに大きなガランとした家で過ごしていて、人形というより、「人」そのもの、つまり弟や妹など遊べる相手が欲しくて、身の回りのもので等身大の人形に見立てて遊んだそうです。それが今の作風につながっているようだと言われ、なるほどと思いました。大竹さんの作風が一貫している理由だと思いました。
大竹さんも世界創作人形展に出品されます。

2008年12月25日木曜日

Season's Greetings

日本では年賀状の準備で慌ただしくなる一足前に、海外の作家とはクリスマスや季節の挨拶が飛び交います。
私も昨日は、おお、今日はイブではないかと急ぎ、世界創作人形展出品者を中心にメールをうちました。
普通の挨拶を書くつもりが、最近の作家とのやりとりでこんな調子になりました。
「今年は世界にとって大きな変化(change)の年でした。
 残念ながら、その変化は多くの人にとってよくないものでした。
 でもそれが意味しているものは、単に所有の喪失。
 (膨大な喪失ではありますが)
 経済的な苦境から自分たちを解放しましょう、
 そして来年は、夢の力で私たちが変化をもたらしましょう!
 私たちのような人たちは、今日の世界の苦境を克服できる力強い戦士であるはず。
 そう思いませんか?
 私はそう思います。
 これから来る年に、境界を越えて一緒に働くことを楽しみにしています」

ちょっとオバマさんにひっかけたのでもありますが、送った人からは次々に、一緒に頑張りましょうという類の返事が寄せられました。
前にも書きましたが、この不況は多くの海外の作家にとって、制作を続けられるか止めなければならないかという決断を迫ります。日本が人形に生きる彼らにとって、希望の国でいつづけるために、私もこの企画をしっかりやっていきたいと思っています。

2008年12月24日水曜日

レナとカツャ(ロシア)

「世界創作人形展」のフォトアルバムに、ロシアの美人姉妹、レナとカツャの写真をアップしました。作品も本人やペット、制作中の写真もあって楽しいです。
私自分が女性であるのにかかわらず「美人なんとか」と評したらジェンダー論の人から何かいわれそうですが、この姉妹はほんと、美しいです。すっと背筋を伸ばしてこちらの話をじっと聞き入る姿そのものがオブジェのようで、透き通った目、アルトの力強く響きのいい声なんて、自分が男だったら虜になってしまうんじゃなかろか。作品も素晴らしいです。建築を勉強した経緯があり、作品の構想、構造がとてもコンクリート(堅固)、技術もばっちり。外見もですが内面からも感じられる本人達の美しさから作品の仕上がりにかけて、すべてが一本の線でつながっているのだと思います。
ロシアの人形界のニューウェーブとして確かな存在感を獲得している彼女たち、来日しますぞ。サシャとともに日本の人形界にインパクト!です。

2008年12月23日火曜日

書肆アラビクの人形展

このブログのサイドバーでご案内している書肆アラビクさんが、来年2月に人形展を予定されています。小説家の津原泰水さんが人形をテーマに書かれた小説「たまさか人形堂物語」(文藝春秋社2009年1月発行)の関連企画として、井桁裕子さんやきんすなごさんなど、国内作家数名の方が出品され、津原氏とオーナーの森内氏の対談などの関連企画も予定されているようです。詳細が決まりましたら、またこちらでもご案内します。

アラビクさんは、古本屋とカフェのお店で昨年11月に大阪の中崎地区に開店しました。オーナーの森内氏が人形に関心があり、私が昨年12月に閉じたギャラリー「ノンク・プラッツ」に来廊、「ドール・フォーラム・ジャパン」の価値を認めて在庫をひきとってくださいました。私にとっては人形に対する自分の試みや考えをすべて投入したDFJをどこかで継続的に紹介していただければと思っていただけに、本当に有り難いお申し出でした。
私が今ここで日々書いている内容にしても、既にDFJに反映したことを繰り返しているようなものですし、誌面はもっと掘り下げています。人形ファンのグラフィック誌としてのニーズに応えられず撤退を余儀なくされたDFJですが、自分でいうのも何ですが、たまに読み返すと、いい記事だなあ、濃いなあ、いいこと書いてるなあ、今の自分って薄まっちゃってるんじゃない?などと思ったりします。
ご関心のある方はぜひ、アラビクさんに在庫についてお問い合わせください。

2008年12月22日月曜日

フェレナ情報

「世界創作人形展」の参加作家の一人、ドイツのフェレナ・アイジングから参加の返事があったまま、連絡が途絶えているので、電話をしてみました。フェレナは日本でも人気のある作家で、シルビア・ナテラーとも友人です。いつもパワフルなオーラ全開!という印象の女性なのですが、電話ではちょっと元気のない様子。反抗期の息子と不況と仕事のトラブルで今年は大変だったの、今はもう疲れてしまって、と彼女らしくないトーンになってしまったので、大丈夫?と私も相当神妙に応答していたら、「それに今、起きたばかりだから」といって、大笑いでした。それでいつもの調子に戻ったのですが、でも不況は不況、いつも出ていた見本市への出展も見合わさざるを得ない状況。日本も行けるかどうかまだ返事ができないの、と声は沈んでしまい「ほんとに今年は困難だったわ」というので、「困難はあなただけのものじゃないわよ、世界全体のことなのよ、独占しないで」と言って、また大笑い。
「でもこういう時にいい企画のために時間やエネルギーを費やさないと、本当に先がなくなるわよね」と、二人で確認。来年の展示にはベストの人形を送るから!と約束してくれました。フォトアルバムへの写真もお願い、と言ったら、古い作品で自分を語るのは好きじゃない、と彼女らしい返事。では判断は任せるわ、でも日本のファンはあなたのことを知りたいのよ、と言ってとにかく「何か」は送って、と言って笑って電話を切りました。
フェレナも日本が大好き。来年、東京に来ることができるようになることを願ってます。

2008年12月21日日曜日

国内作家リスト更新しました

世界創作人形展の出品作家ですが、国内作家に順次交渉を進めておりまして、本日までに確定した方のお名前を本日更新させていただきました。
リストと交渉の順序は不同となっていますので、ご了解ください。

日本に来ることを楽しみにしていたドイツのハンナ・ゲーツから、残念ながら来日を見合わせるという連絡が入りました。人形はもちろん、出品されます。ご主人が大学教授で、ちょうど会期のあいだは講義が多忙な時期で彼女も留守にできない状況らしいです。本人は日本がとても大好きで夫婦そろっての来日をとても楽しみにしていたので、また次のチャンスがあれば来てくれるでしょう。
しかし今の異常な円高、なんとかならないものでしょうか。謝る筋合いではないことですが、でも来日する海外の作家に申し訳なく思います。

2008年12月19日金曜日

サシャについての文

世界創作人形展のサイトを少しずつメンテしてます。
フォトアルバムのページから、サシャのアルバムへのリンクがエラーになっていたので、新しくイヴォンヌの下に張り直しました。それによってレイアウトもそろえられたのですが、消したはずの元のサムネールがまだ表示されるみたいです。何度もデータを見直したのですが、HTMLの壁は厚く、、、それにしてもあるはずのない画像があがってるのでこれは幽霊サムネール??? 

ところでサシャについてもっと教えて、と伝えたら、彼女に関する小文が送られてきました。それで彼女が小説家だったんだということを知り、あのポートレートもなるほど!と思いました。ロシアの作家はプロフェッショナルな前歴があって人形に転身する人がいます。それだけロシアでは可能性のある分野ということなのでしょうね。
***

サシャ・ペトロヴァのこと
文 アンナ・バトマノヴァ
サシャが部屋に入ってくると、誰もが注目する。赤毛、陽気なたくさんのソバカス、そしてチャーミングなスマイル。これがサシャ・ペトロヴァ。とにかくエキセントリックで、想像力に満ちている女性。
サシャは、ウラルの工業都市で育った。そして思春期を町から町へ、旅をして過ごした。シベリアにもしばらくいたことがある。そしてモスクワに来て、初めてモデルの仕事をし、小説を書き、ともに成功した。しかし文学の仕事が絶頂期だったときに、彼女はいきなり止めてしまい、ゼロから創作人形を作り出したのだ。作り方などまったく知らずに! そうやって人形制作を始めたのが3年前のこと。今までに国際的な賞を受賞した作品を含む幅広いコレクションを制作してきている。彼女の人形はもはやドールとしてではなく、アートや彫刻とよぶ人もいる。サシャはさまざまな技術を異なる材料で試みた。だが、その壊れやすさにかかわらず、依然として気に入っているのはビスクである。制作の発想は、現代美術や古い絵画、写真から得る。
人形制作はサシャの生活の中心となっている。彼女はこのビジュアルアートにオリジナルで新鮮な様相をもたらすのだ。サシャにとって最大のゴールは、ステロタイプからの脱却である。玩具と美術的な人形の間にある人形を模索する。彼女の人形は愛玩用ではなく、世界にメッセージを表現するためのものなのだ。それらはきれいでも可愛くもない。怖そうだったりショッキングな印象で、人を不快にしたり、逆にかしこまったりするかもしれない。とにかく彼女の人形に対して無視できず、何らかの感情をかきたてられるはずだ。だが、サシャにとって人形がかけがえのない命というようなものでもない。彼女は、人形はただの物体でそれ以上の何ものでもないという。彼女は、人形は人の模型だけど、決して人になりえるものではないと考えている。反面、ただの手工芸品とも隔てて考えている。その困難な技術や繊細な職人仕事によるものだからだ。サシャによれば、創作人形は彫刻を複雑にしたタイプ、なのだそうだ。サシャはこの新しいアートに人気が集まり、市場も広がるだろうと考えている。彼女の夢は、人形がいかに精神的な深さをもった象徴し、伝統と新しい概念を混合しうるものであるかを人々に見せることである。サシャ・ペトロヴァは世界中を旅してきたけれど、日本はまだしたことがない。日本を訪れこの国の不思議を発見する日を楽しみにしている。

2008年12月18日木曜日

イヴォンヌ・フリプシ、アップしました

ウェブを引っ越しして、「世界創作人形展」参加作家の作品紹介の作業再開です。
今回は、オランダのマーレーンに負けない強力作家、イボンヌの紹介です。
初めて会ったのは1990年前半だったと思いますが、その頃の彼女はネズミのファンタスティックな人形が多くて、本人もネズミっぽいと評判の作家でした。彼女もタフで、世界の名だたる展覧会には顔を出してます。ハンナのようにアメリカに対してはソロ・プレーヤーですが、ヨーロッパではオランダやベルギーの作家とDABIDAというネットワークに属しています。今は活動があまり見られなくなりましたが、グンツェルやナテラーなどヨーロッパの人気作家の登竜門だったGDS(Global Doll Society)でも活躍していました。
オランダに行ったことがある方なら、彼女が動物や自然をテーマにするときけば、なるほどと思われるのではないでしょうか。酪農の国で延々と広がる平坦な田園風景に放牧された動物たちをよく見かけます。

ウェブ作業、心おきなくサクサクと進めたかったのですが、触れたくなかったHTMLの壁にぶちあたってしまいました。旧サイトのフォーマットの引越がうまくできず、更新したイボンヌからフォトアルバムのページがちょっとレイアウトが狂ってます。そのうちに直しますので、ご容赦を。
まずはコンテンツをご覧にいれたい気持ちで進めてしまいました。
国内作家リストも更新しています。こちらもご覧ください。

2008年12月17日水曜日

「世界創作人形展」公式サイト引っ越しました

関係者の皆様にはご迷惑をおかけしておりました。
世界創作人形展の公式ウェブサイトは下記に引っ越しましたので、登録の変更をお願いいたします。
http://www.nonc.jp/worldningyo/
バナーを用意しましたのでお使いください。
リンクフリーです。


















追伸
なお、グーグルサイトにおける旧公式サイトはこれをもちまして閉鎖いたします。
1週間をすぎてもグーグルからエラーに関する回答どころは一切ありません。当方としては意図的にグーグルの規約違反をしたつもりはないので、理由を問いただし、調整を試みたかったのですが、これまでの経緯にあるようにあちらの誠意の感じられない反応は遺憾に思っています。ちなみに本日付で公開した新サイトのコンテンツはほぼ、閉鎖されたときと同じ内容です。

人形の取材

少し前の話ですが、9月頃にJAL機内誌「Skyward」の取材をうけました。あの雑誌はバイリンガルで、たぶん英語面の特集記事だと思います。3月の発行にあわせて、季節柄人形をとりあげるということです。紅樹時雨さんをとおして、彼の個展を主催していたマルギャラリーのご紹介でアメリカ人記者の方にいろいろ、人形のことを説明することになりました。それが最近脱稿したそうです。
また近くなって情報が入りましたら、お知らせします。
モスクワのワクタノフギャラリーの恒例の12月のショーは今年は私は行きませんでしたが、ヨーロッパ組からぽつぽつ、帰ってきたよーというお知らせが届きました。ロシアもいま、不況の波を受けて厳しくなっているらしいですが、どうだったのでしょうか。
景気が厳しくなってくると、だんだん売れ筋に集中してきてしまいます。ロシアでは日本人にはちょっと強いかなと思うくらいゴージャスで可愛い人形が好まれますが、それだけになってしまっては、、、。日本の傾向もかなり偏っていたように思います。それもいいけど、多様性あっての日本の人形。不況に負けるな!

2008年12月15日月曜日

ウェブのエラー

グーグルよりは相変わらず二回の申し立てに対する返答なし。いきなりウェブが閲覧停止になってから1週間たちます。
今の臨時サイトサーバへの引越を検討しています。

駄目もとで、日本のグーグル株式会社に質問の電話をしました。応答は予想通りで、電話のオペレータはヘルプサポートはすべて電話ではお答えできません、といいます。つまり、必要事項はすべてグーグルのウェブにあげてるからそれを見てね、という意味です。いずれにしても私のような件はアメリカで一括管理しているから、日本では何もできないそうです。では、アメリカに電話すりゃいいのか、というと、やはりヘルプサポートはアメリカでも電話では応対しないとのこと。
それでは、私の場合クレームを出して既に一週間以上たっても一方的に返答を待つしかないのですか、というと、そういうことらしいです。それが一ヶ月でも。
電話オペレータの回答は機械的で、グーグルのウェブに書かれている以上の情報は得られませんでした(この件に関しては私のほうが知っていました)。こういう、顧客サービスを合理化、効率化するためのやりとりはアップルでもうんざりした経験がありますが、グーグルよ、おまえもアメリカンスタンダードの申し子にすぎなかったのね、と再認識。
人間の思いや声を生かしてネットの可能性を広げて、既存の企業タイプを凌駕する象徴のように思ってましたが、それは当方の勝手な思いこみだったということなのでしょう。

2008年12月13日土曜日

ウェブのエラー

昨日、本日をもっても今だにグーグルよりの回答がなく、サイトを復旧できずにおります。
申し訳ありません。
作家リストを増やし、各作家へのリンクの設定を増やしてからのエラーでした。規約には、サイトのページが「ブリッジページ」として他のサイトに誘導する目的でつくられることを許可しないという項目があり、これに抵触したかと推測されますが、その前の問題がなかったバージョンに戻しても復旧できず。一時停止のロックはグーグルしか解除できないようです。
いつまでも原因がわからず頭のなかがぐーるぐるしちゃうよ、グーグル。

来週には別のサーバをたてても復旧のめどをつけたいと思っています。

2008年12月11日木曜日

ウェブのエラー

まだ、グーグルより返答なし。
ええい、江戸っ子じゃないねえ! 当たり前ですが。

そろそろアップしたい作家のコンテンツもそろってきております。
オランダのイヴォンヌやアメリカのゲイルとか、繊細で愛らしい妖精の人形など。
今しばらく、お待ちくださいませ。
「なに、そんなに困ってるってえんなら急がにゃなんめえ!」って、江戸っ子気質がグローバルスタンダードにならないものですかねえ。

2008年12月10日水曜日

ウェブのエラー

ご迷惑をおかけしています。まだ原因がわかりません。

グーグルからの応答は3営業日程度の時間がかかるようなことが書いてありました。
社会の事務処理システムがIT、ネット化されるに伴い、便利だけれど管理がマニュアル化、一元化され、こういういざというとき電話で直に生身の人間と即、やりとりできないもどかしさがあります。今の世界を混乱に陥れているアメリカ主導のグローバリゼーションと社会問題、貧富格差による不況など、原因の核はこういうところにあるんじゃないかと思うくらい。(自分が困ったからって小さなことを大きく言うという声が聞こえてきそう。)
しかもこの件のサポートデスクは英語しか対応していない。
返答催促のメールを再度送りましたが、今述べたような点や理由不明のまま「規約違反」として公にウェブをクロースするメッセージとしての日本語の貧しさに対する苦情も含めました。
こちらでも規約を見直し、違うバージョンのアップロードをかけたりしてますが、グーグルが今の状況を解除しない限り、自力では今の状況が回避できないようです。

2008年12月9日火曜日

世界創作人形展臨時サイト

今までご覧頂いていた「世界創作人形展」のコンテンツはこちらでご覧になれます。
http://www.nonc.jp/wdf/

元URLにリンクを張っていただいた方にはご迷惑をおかけしています。
これからリンクを張られる方は、しばらく保留をお願いいたします。

羽関チエコ

緊急のお知らせ「世界創作人形展」ウェブのエラー

「世界創作人形展」のウェブをご覧頂いている皆様へ

「世界創作人形展」のサイトは先ほどの説明にあるように、国内作家のリストを加筆して更新したばかりなのですが、更新してまもなく、閲覧が一時中止となり、現在の時点でご覧頂くことができません。
ご迷惑をおかけして申し訳ありません。
取り急ぎ、内容コンテンツのみでもご覧いただける臨時サイトを制作中です。できしだい、アドレスをこちらで告知します。

エラーの原因については現在、サーバを運営するグーグルに問い合わせ中です。本来のアドレスには利用規約の違反とありまして、規約に対する私の認識不足によるものなのかもしれませんので、私のほうでもよくチェックいたします。
著作権に関することや公序良俗に関する部分は問題ないはずなので、それ以外の理由でないと私としても納得のいかないところです。
しかし規約に違反したというメッセージを、サイト運営者に何の告知なしに閲覧者に公表するのは心外です。この点はグーグルに申し立てしたいと考えています。

グーグルからの返答があるにせよないにせよ、結果がでるまで進捗状況を毎日このブログでご報告をお知らせします。
改めて、皆様におかけしているご不便を深くお詫び申し上げます。

羽関チエコ

国内参加作家、更新しました

国内参加作家の更新をしました。
まだここにご紹介できていない方もおります。随時更新いたします。
また、会期中には海外作家との交流イベントも企画しております。
詳細はまた、ウェブやこのブログでご紹介します。

「世界創作人形展」は、海外の作家が主体的に参加する人形展としては国内初なのです。
この貴重な機会に、人形を通して海外作家とじかにふれあい、人形への思いを世界に広げていただければと思っています。

2008年12月8日月曜日

トロルで人形作りました

今日は現代美術に挑戦? 偶然、怪しい人形作りに参加してきてしまいました!
私の子供は20代ばかりなのですが、その子育てのときからおつきあいのある近所の絵本屋さん「トロル」でのできごとです。をかしきおじさん三人で子供や大人のために上質な本を届けている絵本屋さんです。店でかかってるのが、たいていブルースやしぶいロックでそんなところも個人的に好きなところです。
店長の関本さんの身体をベースに、新聞をあててガムテープでミイラみたくして抜け殻を人形にしたのです。お店にいた子たちは足や胴体の頃は注意が散漫だったのが、頭部にかかった頃から子供の関心が高まり、顔や目がわかるようになると、俄然、<こわい>コールが。できつつあるそばからカモフラージュ?のサンタの衣装をつけたりしました。しかしほんとはね、そのボディに人形本来の意味と存在があるのだよ、、、。
なんてね。
(この写真はトロル提供。後ろ姿が私です)

DFJをやっている頃から、関本さんが人形好きだったのがきっかけで、このお店の輸出入業務のお手伝いをさせていただいてます。
私は、性的児童虐待を受けた子供達から事情を聞き出すための人形や、赤ちゃんの「揺さぶり症候群」防止教育のための人形などなど特別な目的をもった人形の取引のお手伝いをさせていただいてますが、一般に知られないところで活躍している人形や、それを広める努力をしている人たちことを知り、勉強になってます。

こんな感じでつくりはじめて、頭部を作っているときは、適当な目を描いてごまかしても微妙にホラーっぽく、、、










胴体部分も作ってドッキング。
全体を合体させる前にボディにはよい子たちの悪夢回避のためにサンタの衣装がつけられていきました。
完成形はトロルのブログでご覧になれます。
私は完成形より制作中の新聞紙のはらわたを詰めて横たわっている姿のがぐぐぐ、、と、というか、いつもそういうのに見慣れていたので、親和感というかノスタルジーというか、そんな世界にいたのね、私、と思いました。







おまけ。
衝動買いでねずみのフィンガーパペット購入。
1200円しなかったです。わーい。

2008年12月7日日曜日

アンキー、アップしました。

「ダッチ・タッチ」(Dutch Touch)という集中講習会でマーレーン・フェアヘルストとともに活動をしているアンキー・ダーネンの作品写真をアップしました。作品の詳細説明がまだ届いていないので、届き次第更新します。

フォトアルバムへ

アンキーとマーレーンは日本でこの「ダッチ・タッチ」の開催を希望していました。私は各方面で開催の調整を試みましたが、残念ながら高額の5日間連続集中講義の企画を今の日本に持ち込むのは難しく、マーレンの方はやむなく来日を断念しました。アンキーは来日します。
彼女も精力的な人で、世界の重要な人形展には必ずといいほどたくさんの一点物の作品をもって出展しています。

なお、現在「世界創作人形展」のウェブサイトでは日本人作家の紹介が整っていません。情報がそろい次第、海外の作家にも楽しんでいただけるようにウェブサイトにコンテンツを加えるつもりです。
お楽しみに。

2008年12月5日金曜日

オルガとネル、アップしました

先日ここで書きましたオルガ・ロエルの写真をアップしました。独創的なフォルムと美しい色による、まさにファンタジーの世界です。本人は、人形劇の仕事をしたことから、脚本、俳優、振り付けまでできる多彩なアーティスト。ドイツの作家として紹介していますが、生まれと育ちはラトヴィア。彼女の哲学的な発想を思わせる世界観も興味深いです。
またオランダのベテラン作家、ネル・グロッテデの写真もアップしましたので、ご覧下さい。30年にわたり子供の自然な表情に取り組んだ、ヨーロッパらしい子供のビスクドールです。

フォトアルバムへ

オルガもネルも来日します。
また、名前の表記において、当初ペトロヴァ・サシャとしていた部分がありましたが、ファミリーネームがペトロヴァであることが確認できたので、他のロシア人作家にならい、ファミリーネームを後にする表記にそろえました。
それを教えてくれたロシア人によると、ロシアではどちらを先に表記するという原則はないとのこと。ええ、ほんとうなのかなあ!? たしかに、自分の名前を私のノートに書いたサシャは、ファミリーネームを最初に、つまり日本人と同じように書いたのです。彼女は日本のアニメなどが好きみたいだし、こだわりなのか、今度機会があるときに聞いてみたいと思っています。

2008年12月1日月曜日

海外の反応

「世界創作人形展」の企画は、アメリカやロシアでも関心をも寄せてくれています。アメリカの「DOLLS」はこの展示のリポートを掲載するといってきています。そして最近始めたデジタルマガジン(誌面のウェブ版)の3ヶ月の無料購読を出品作家と来場の希望者にオファーしてくれました。
試読版
ロシアの「DOLL MASTER」も早くも展覧会告知の案内の掲載に取り組んでくれました。ロシアの取り組みが早かったので、プレス用の詳細な資料が整っていないところを、「月曜のモスクワ時間4時までに、掲載写真の詳細情報を追加で教えて」と連絡がきたのは、22日の土曜の夜中。それをみたのは、例の近所のライブハウスで閉店まで好きなように音楽を楽しませてもらって帰ってきた朝の4時すぎのこと。
今回、マーレーンやオルガなどヨーロッパの作家のものを送ったのですが、彼らはeメールのレスポンスが今ひとつ、ゆっくりなので、やむなく国際電話でフォローしました。ガッツなマーレーンは、よしきた合点!と、1時間後には情報をメールで送ってくれました。
ドイツのオルガには携帯電話に。彼女の作品もとても美しいものです。写真がきているのに情報がタイトルしかきていないので、他の情報も催促していたところでした。近日中にご覧になれると思います。

2008年11月29日土曜日

世界の創作人形の現状3

欧米の作家の意識を知ることは、日本の作家にとっても参考になると思います。
簡単に考えると、日本では男性が社会に対して人形作家を名乗るには、先入観のことを除いても、仕事として構えるのにある程度の覚悟が必要だと思います。国内のプロの人形作家と名乗る人は圧倒的に女性が多いと思いますが、では、どれくらいの女性作家がそれほどの意識でいるでしょうか。すなわち、どれだけビジネスとして考えているか、ということです。
私はジェンダーでものごとは語りたくありませんが、日本はまだそのギャップは認めざるを得ません。(これについては長くなるので別の機会でもあれば、そのときに。)
欧米の作家の場合は、作家と名乗る以上、男女の隔たりなくプロとしてビジネス感覚を持ち合わせています。主な収入源は作品の売上なので、作品発表でコスト回収できるかどうかという問題にはとてもシビアです。それは地理的な問題と社会環境の違いから、日本のように教室経営が成立しにくいこともあります。各地で講習を単発で集中的に開催することはありますが、日本の人形教室のように長い時間をかけて通うことが前提で、ある程度の定期収入を望める作家は珍しいといっていいでしょう。
そのような事情もあって、90年代後半あたりから市場が冷え込んで以来、市場参入してくる新人の作り手は、欧米ではあまり見られなくなりました。それどころか、市場から撤退したり活動を休止するベテラン作家もいます。ニアダの会長を務めたことのあるアメリカのアキラ・ブラントも今回の企画に声をかけたのですが、活動を休止しているとのこと。彼女の作品は私もとても好きでしたので、残念な話でした。その反面、ロシアでは体制崩壊と好景気の追い風を受けて市場や人形教室が盛んとなり、新人作家が輩出するようになっています。ロシアの新世代の作家たちが市場の試練を経てどう育って行くのか、関心をもって見ていきたいと思っています。

2008年11月28日金曜日

ゲルダ・S・ライスダイク

今日は、世界創作人形展のウェブサイトにスペイン在住のオランダ人作家、ゲルダ・S・ライスダイクの写真をアップロードしました。
スペインの葡萄畑が広がる環境での制作生活はなんとリッチなのでしょう。しかし彼女は2005年に乳ガンを患った重く辛い経験があったそうです。その彼女を精神的に支えたのが、創作活動。幸せの形は、創作なのだと気づき、情熱を傾けるようになったそうです。
東京のストリート・ファッションシリーズは、ユニーク。世界でも日本のアニメやマンガブームとともに話題になるようですが、ファッションデザイナーであった彼女の嗅覚は鋭く、オリエンタルな人形に原宿あたりのニュアンスが伝わってきます。厳密には日本の現実に沿っていないかもしれませんが、でもオリエンタリズムが誇張されず、衣装のディテールにも遊び心が感じられます。これもいいじゃん、と逆に採用されそうな感じもしますね。

2008年11月27日木曜日

世界の創作人形界の現状 2

前回の補足を少し。そのようなわけで、今回の「世界創作人形展」の参加作家は先進諸国の人たちということになります。
欧米では「doll」という言葉の制約から、表現や認識に限界を与えられていた欧米のドールアーティストたちは、その言葉からの脱却の試みを繰り返してきました。ひとがたの造形でファインアートを意識する作家には、はじめからクラフトアートの分野で活動し、dollの領域とはまったく交流を持たない人も少なくありません。日本人の私からみると「これは人形」と受け止められるユニークな作品もよく見かけます。
欧米の創作人形は「artist doll」と呼ばれます。ですので、この企画の英語名では、WORLD NINGYOのあいだに、ARTIST を入れるべきでもありましたが、長くなるのを避けたのと、あえてNINGYOという言葉の懐の深みを意識したタイトルでもありました。実を言うと、「創作人形」の「創作」という言葉にも、私には手垢のついた印象があって、なんとか他の言葉がないかと思っています。

ということで、日本は幸い、「人形」という言葉があったので欧米の作家ほどに苦労しないでよかった部分があるのです。dollという言葉がもたらした窮屈さゆえか、80年代から90年代にかけて活況を呈した欧米の創作人形界でしたが、今は若い世代が続いてきていません。先述したシルビアに聞いたら、彼女はそろそろ60代に入ると思いますが、「ヨーロッパは私たちで終わりよ」とはっきり言ってました。アメリカも新進気鋭作家登場!というニュースはあまり聞きません。かえって、私の属しているニアダのニュースレターには、かって交流をした作家やパトロンの訃報が折々に混ざってくるようになりました。
今、若手の作家が輩出するのは私の知る限り、ロシアと日本、韓国くらいだと思います。

2008年11月26日水曜日

「ドールアート展2008inうつくしま」の審査から


「この秋の活動報告-2」(11/18)を読んでいただいた方から、「人形にしか出来ないこと」を表していた入賞作について、お問い合せがありました。東京の成沢しのぶさんという方の作品です。
私が撮ったのですが、写真が今ひとつで申し訳ありません。
40cmほどのサイズで細身、普段着の男の子の姿だから色味も地味なので、会場をさあーっと流して見るとちょっと目立たないのです。関節人形で、ポーズはニュートラル。このニュートラルな状態で良く見えないと、関節人形のやるべきことはできていないといっていいでしょう。かつ、衣装に頼らなくても見せるべきボディバランスができていること。デフォルメする場合も含めてです。そして、本体にぴったりあって、出しゃばりもせず足も引っ張らない衣装の素材の選択、そして作り込みに神経が届いていること。人形は、衣装や装飾的な部分が大事ですが、本体との調和がとれていない素材や作りはすべて本体以上に自己主張してしまうものだと、作り手の方は考えたほうがいいでしょう。
他にこの方の作品では、多少荒めに見える浅黒に見える肌の塗装の仕上げは、寒さを表して肌の赤みをさして、筆の勢いが生き生きとして目に映ります。そしてとにかく、顔がとてもいい表情をしています。このまま作り続ければ、これから活躍する方になるのではないかと思います。
技術的な説明になってしまいましたが、私の主観から見れば、基本をおさえていて、いい人形だと思わせる作品でした。

2008年11月25日火曜日

世界創作人形展 - 3

世界中で人気のあるシルビア・ナテラーの写真をアップしました。
「世界創作人形展」のフォトアルバムのページからご覧ください。

私もこのスタジオに訪れたことがありますが、アルプスの小さな村にあるとても素敵なところです。ヨーロッパの作家は、皆、自分だけの時間が流れる空間と環境をきっちり確保しているように思います。人と物にもまれながら小さな部屋で、夢だけは一杯にひろげて制作しなければならない日本人にとっては、本当にうらやましい環境です。とはいえ、この前に書いたことを思えば、それでも贅沢なことですね。
彼女は芸術家であり、ご自宅には美術関係の蔵書が小さな美術館なみに充実してます。ビジネスと一線を画した一点ものの人形も制作しているのですが、一般にはあまり紹介されないできました。社会問題への関心も強く、そういう話題になるとずっと話し込んでしまいます。それだけに可愛い人形だけを求められることが心労になっていたようで、今年から思い切って軌道修正に入るの、と言ってました。

シルビアは日本が大好きで、今回は10年ぶりにご主人と来日してくれます。会場で会えるチャンスもあります。どうぞお楽しみに!

2008年11月24日月曜日

世界の創作人形の現状 1

今、取り組んでいる企画は「世界創作人形展」として、世界を謳っています。では世界の創作人形とは?
たぶん、創作人形に関する世界的統計はありません。でも確かにいえることは、創作人形は経済的に余裕のある国にしか成立しないということです。私の知る限り、欧米とオーストラリア、アジアは日本とその周辺程度、日本の影響をうけた韓国、台湾くらいでしょう。他国に比べ断然作家数の多い日本においてさえ、その規模はたかが知れています。すなわち、日本はとても平和で裕福で、かつアニミズムの精神文化が損なわれなかったからこそ、創作人形が盛んでいられるのです。その恩恵にあずかった幸運、自分たちの豊かな環境を認識できている作り手は、少ないのではないでしょうか。

アジアやアフリカ、中南米でも、土産物の需要と供給があるところにはちょっと作家性のある人形を見つけることもできることもあるかもしれませんが、個人が作家としての名において継続的に活動する基盤は整っていないでしょう。それでも観光産業がある場所はまだ恵まれています。観光産業も成り立たないような大変な国や地域は、まだいくらでもあります。ほとんどの国の人たちが、創作人形を作ったり愛でたりする余裕なんてないし、そういうものがあること自体考えもつかないのです。
そういう「世界的」な視点にたてば、創作人形に関わっていられるということは、とても恵まれていることなのだと思わざるを得ません。

ハンナ・ゲーツ

世界創作人形展の出品作家、ハンナ・ゲーツとは、ロシアのインターナショナル・ドールサロンでブースが隣り合いました。彼女とは数年ぶりの再会を喜び合いました。
欧米のプロの作家にとって、顧客層はアメリカとヨーロッパにあるので、各地で定期的に行われる大規模なフェアは作品発表の大事な機会です。だいたいが個人事業だから、作家は自分でフェアを渡り歩きます。トランクにめいっぱい人形を詰めて旅し、自分で搬出入をし、店番をして売買をする姿は行商人そのもの。彼らは力持ちで、納得のいかないやりとりには毅然と抗議をし、みな生き生きとしていてたくましいです。
ハンナは今回、大学教授のご主人と一緒に来ていました。あるとき主催者が、出品者に対して作家組織の勧誘に来ました。その組織は主催者が作ったものですが、私は会の概要や会費がかかるというのに申込書などの印刷物が一切無く、口頭で済ませるロシアのやり方をいぶかしがり、答えを保留しました。しかしハンナは、即答でした。「私はどんな組織にも入りません。私は私自身の組織の会員ですから」(もちろん、彼女は組織なんて持ってません)。
欧米にはNIADAをはじめ、然るべき組織がいくつかありますが、ソロで人形作家としてどこにも依らずに活動しているハンナの発言は、格好よかったです。あの不惑の精神は見習いたいと思いました。

2008年11月23日日曜日

NINGYOとDOLL - 3

では、愛玩性を特徴とする人形として「ドール」がなぜ妥当な新語かという理由ですが、語源を調べるとわかります。このことは私はDFJ最終号で書きましたが、繰り返すと1750年代にイギリスのバーソロミューという市で人気のあった玩具の木製の関節人形「バーソロミュ−ベイビー」を、ある業者が自前の製品を差別化するために「ドール」という商品名をつけてヒットしたのが始まりだとされています。つまり、今、私たちが「バービー」や「ドルフィー」と呼んでいる名前が一般化して、その総体をあらわす国際語までになってしまったようなものです。
ですから「ドール」は人形に含まれるが、人形そのものの概念を包括し得ないわけで、それでも人形を「ドール」という人には、人形の愛玩性以外の特徴を認めないような強い意志を感じてしまいます。それは私が言葉に敏感になっているせいかもしれません。でも、動物が「ペット」だけではないように、人形も「ドール」だけではないので、それは自分のできる範囲で正し、海外でも、「あえて訳さない日本語」として使っていきたいと考えてます。

2008年11月22日土曜日

NINGYOとDOLL - 2

でもこの10年来定着してきた、語尾をあげて「ドール」と言う言い方は、人形の愛玩性を特定する意味において、正しい新語だと思います。スーパードルフィーや、ファッションドールが成人の趣味として定着する傾向を支える単語でした。愛玩性は、人形の重要な特徴です。しかし、人形には愛玩の対象に限定されない、歴史と精神文化があります。だから、「ドール」は人形に含まれるとしても、人形の概念をひとくくりに「ドール」と言ってしまうのは、言葉のうえで乱暴なことなのです。
あるとき高名な評論家の方が、その文脈において「人形」というべきところを、最新語を知っているつもりで使ったのか、「ドール」と言ったのを聞いて驚いたことがあります。この方は日本の精神文化や伝統工芸への造詣が深く現代の知識人として知られ、たくさんの著書を出されているのですが、それほどの方でも人形文化に対してはその程度の認識しかないのだと、再認識した次第です。やはり、人形に関しては人形をよく知る、知りたい人が踏ん張らないとならないようです。

2008年11月21日金曜日

NINGYOとDOLL - 1

DFJ終盤の頃から意識をしはじめて今もこだわっていることに、人形は人形と呼ぶ、ということがあります。「DOLL FORUM JAPAN」という誌名にも、自己矛盾を感じ、2006年にリニューアルするときには「NINGYO SCENE」、「人・形ノート」としました。
<DOLL>という単語は、日本語の<人形>が意味するものをすべて含んでいません。その単純なことに気づいていない人が多く、<DOLL>=<人形>と思い込んでしまう傾向があります。「ドール」という言い方が流行りだしてから、私の意識は強くなって行きました。
日本の漫画が欧米のコミックを凌駕するフィールドを築いていったことで、海外ではMANGAという単語が定着しました。そのように、NINGYOは国際語になって然るべき言葉です。その深い精神性、表現媒体として人形造形に取り組み、DOLLに違和感を覚える海外の作家たちにとっても、必要な単語です。
私は海外の雑誌に原稿を書くときは、努めてNINGYOと書くようにしています。

2008年11月20日木曜日

ロシアのサシャ

「世界創作人形展」のウェブサイトに、ロシアのサシャ・ペトロヴァの写真をアップロードしました。
ペレストロイカの時代に生まれたロシア新世代の作家で、日本のアニメにも関心があるそうで、どことなく日本的なテイストも感じられます。本人はロックスターのような印象で、ポートレートも格好いいです。ぜひご覧下さい。
モスクワはレーニン廟も観光地化してしまい、開放前にテレビニュースでよくみた、食料を求めて長い列をつくるロシア市民の姿も、モスクワ市中心部をみる限りでは想像が困難な感じです。彼女が開放前のイメージで作ったポートレートを見ても、あの時代は過去のものとして過ぎ去ってしまったように思えます。日本もかって、戦前戦後で価値観が大逆転した世代があります。そんな世代にあたるのか、ロシアの作家たちが才能を開花させていくパワーは、目を見張る勢いがあります。美的センスも手仕事の巧みさもアメリカナイズされず、ヨーロッパ美術の歴史を汲んでいる彼らは、要チェックです。

2008年11月19日水曜日

閑話休題ードラム編

最近やりかけていることが、ちょっと一段落。
気になっていた近所にできたライブハウスを覗いてきました。
私の地元には似つかしくない業種と思いつつ、70年代の音楽が好きな感じが伝わるお店だったので入ってみました。平日の夜ですし、案の定貸し切り状態だったのをいいことに、マスターとおしゃべりして、お店にある楽器で遊んできてしまいました。20年ぶりくらいにドラムを叩いてきて、ストーンズやCCRとかモンキーズをその場にいた人と一緒に演奏して歌ったりしてしまいました。
常連の人に、初めての来店でこんなことをやってる客、と珍重されました。
やっぱり私の本質は、宴会要員だと再認識した次第。バンドのドラムでもスカウトされてしまった。
名を尋ねられながらハンドルネームを告げ、またくるわ、みたいなセリフを残して去ったのでした。ふふふ。

2008年11月18日火曜日

この秋の活動報告-2

10月にはモスクワに行く前に、福島で大竹京さんが主催する「ドールアート展2008 in うつくしま」でのコンクールに、審査員として参加させていただきました。今回が4回目で、最初から審査をさせていただいてます。
大竹さんと教室の皆さんで全国規模の公募展を裏方に徹して支えているご苦労は、相当なものだと頭が下がります。
私の最近の人形をみる基準は、人形でなければできないことをやってるか、です。コンクール作品は、「表現」として気負っているものが目につき、大きさや第一印象で「意欲作」が評価されがちですが、人形にしかできない部分というのは案外地味なところにあります。私がイチオシで選んだ作品は、入選に留まりました。でも、その方はちゃんと分かってやってるんだなあ、という感じがして、ちょっと清々しい、嬉しい気分になったのでした。

2008年11月16日日曜日

NIngyo Artist Network

今日は、英語版のウェブサイトをつくってました。
人形に関する情報交換、将来的には思索、歴史メモのようなものが、参加型で構築されていけばいいなと考えてます。外国人作家とのあいだで非公開で試験運行開始、といったところです。

DFJとノンクを止めて、人形から少し距離を置こうと思ってるのですが、気がつくと人形に関する情報整理をしているのでした。

2008年11月15日土曜日

大島和代さん

ただいまアメリカの'DOLLS'誌にむけて、大島和代さんの特集記事の入稿作業を詰めてます。
この夏にアフリカで働いていた兄を訪ねて、たまったマイレージでとても久しぶりに休暇旅行をしたのです。その途中でパリの大島さんを訪ねたのですが、そういえばあれだけ欧米の作家のリスペクトを集めながら、日本以外の人形関連の媒体できちんと紹介されたことがないことに気づき、アメリカ、ロシア、ドイツの媒体に声をかけてみたのです。
そしてアメリカの'DOLLS'の他は、ロシアは'Doll Master'、ドイツは'Puppen & Spielzeug'に掲載されることになりました。どれも各国を代表する人形雑誌です。'Doll Master'は版組が終わり、8ページの特集となりました。
内容は大島さんの大事なメッセージが含まれており、日本版をウェブで発表する方向を考えています。発表のおりには、またこちらでご報告します。

2008年11月13日木曜日

世界創作人形展-2

今日は今のロシアの人形界を築いたといってもいい作家、タチアナ・バエヴァのフォトアルバムを「世界創作人形展」のサイトにアップロードしました。

彼女の部屋から見えるという、スターリン様式のモスクワ大学の夕陽の景色が素敵です。
タチアナと初めて会ったのは1994年夏のアメリカでした。その頃は彼女はアメリカでの長期滞在を繰り返し、アクセサリーを作っては滞在費を捻出してました。当時は人形作家が皆無だったロシアで作家のネットワークを作りたい、と描いていた彼女の夢はその後の彼女の努力によって見事に実現しました。今のロシアの人形界は世界で一番勢いがあるのではないでしょうか。すごい仕事をしたものだと感心しています。タチアナも、来年のこの企画のために初来日を予定しています。
*ロシアの人形界について、彼女は別冊DFJ「人・形ノート2号」(2007年)で解説してくれています。(右のURLの「アラビク」さんでお求めになれます。)

2008年11月12日水曜日

世界創作人形展

来年のゴールデンウィークの期間、世界の創作人形作家が参加する企画を担当しています。
専用ウェブサイトをたちあげましたので、詳細はこちらでご覧下さい。
作家資料を「photo albums」のページで順次更新しています。
欧米の作家たちが、創作のために大事にしているものや環境の写真も送っていただきました。
お楽しみください。

世界創作人形展のウェブサイト
http://www.nonc.jp/worldningyo/

2008年11月11日火曜日

この秋の活動報告

時間をさかのぼっての報告です。

10月にモスクワで開催された「第4回インターナショナル・ドールサロン」に作家の内田惠子さんと参加してきました。そのときの内容は、ドルスバラードのブログ「ドルバラノート」でご覧下さい。

http://www.dolsballad.co.jp/

ロシアへはこれで4回目の人形イベントの参加になります。かって日本の創作人形界に若手作家が輩出した時期を彷彿させるような時代を見ているようで、ユニークな作家がどんどん出てきています。今回のイベントで私は、日本の人形界の紹介のプレゼンテーションを行いました。ロシアの人形雑誌にも記事を寄せるようになりまして、ロシアへ日本の人形界を知らせた実績から主催者より「アート・パーソン」賞を賜りました。

2008年11月8日土曜日

ブログをはじめます

こんにちは。羽関チエコです。
今年(08年)春まで、「ドール・フォーラム•ジャパン(DFJ)」の編集発行人の小川千惠子で活動していたので、そちらの方が通りが良いかもしれません。
事務所を兼ねていたギャラリー「ノンク・プラッツ」も昨年末に閉所して以来、近況報告を公にすることもなく過ごしてまいりました。

これから少しずつ活動報告や、折々の出来事や思索などの備忘録代わりに、少し気楽にブログを始めてみようかという気持ちになりました。

HAZEKI officeという名前は、4月からフリーの個人として名乗っている事務所名です。何ができるのかまだ模索中なので、まだあまり大げさなアナウンスはしていません。
人形の仕事ばかりしてきたし、この春から秋にかけても人形がらみの仕事で、これからもそんな調子かもしれないのですが、そうならないかもしれません。まだ自分でもよくわかりません。
人形は自分が好きで関わった分野ですし、まだ取り組んでいたいテーマも続いているので止めることはないと思うのですが、私はこれからは、今までとは違うアプローチをしないとならないという思いはあります。

とりあえず今、「世界人形展」という企画を立ち上げて、そのために準備を始めているところです。この詳細は近日中にお知らせいたします。

よろしくお願いいたします。

HAZEKI office 羽関チエコ