2009年10月23日金曜日

チーム・コヤーラのウェブサイト!

先にここでも触れました、チーム・コヤーラの公式ウェブサイトが立ち上がりました!

http://www.ab.auone-net.jp/~koyaala/

「コヤーラ・フェス」を高円寺で開催いたします。
コヤーラ・フェス出品者はまだ若干募集しております。

お申し込み方法

お申し込みの際に、作品写真も見せて頂いておりますが、元気で楽しいイベントにしたいと思っています。ご関心のある方は、私、はぜきまでご連絡ください。
よろしくお願いいたします。

2009年10月16日金曜日

訂正

「第4回人・形展 2」のリポートで、「みつばち@BabyBee」さんと西織銀さんについて、作家名とユニットの構成を誤ってご紹介している点がありましたので、訂正して再掲しました。関係者の方には謹んでお詫び申し上げます。

2009年10月13日火曜日

第4回 人・形展 5

本来のひとがたの意味では、英語のフィギュアという訳語があてはまります。ドールではない人形がフィギュアであり、たとえば今回出品のなかでは石塚公昭氏、岡田好永さんのような「人形」はその範疇に入ります。日本語カタカナの「フィギュア」のイメージとはほど遠いものですね。石塚氏は最近では文士をモデルにした人形が文学関連のイベントでビジュアルによく登場します。岡田さんはどんな素材も扱える人ですが、今回は日本の伝統的な素材である桐塑にキュビズム的なフォルム、東西のエスプリをひとつのフォルムに調和させたユニークな作風を提示しました。センスアップされた空間でひとつ、ぽつんとあったときに、存在感を発揮するような作品です。
今回は2004年の東京現代美術館での「球体関節人形展」に出品した作家のうち、5人が出品していたことも見所といえるでしょう。あの展示を企画した私からいうと、あれはあの時点までの日本の球体関節人形「過去」をリビューし、未来を模索する意図がありました。ですから、彼らの「現在」を見るのは興味深いものでした。伽井丹彌さんや秋山まほこさんにおいては、球体関節人形のスタイルがそれぞれの創作にとって必然的な要素であり、ご自身のカラーがはっきり出ています。前出した月光社や井桁裕子さんはトルソや球体関節人形を、コンセプトにおいて使い分けていますが、井桁さんは今回は陶のオブジェのトルソのシリーズ、よねやまりゅうはFRPの兎や豚にタトゥーの柄を描き込んだ神像のトルソを出品しました。井桁さんは来年個展を予定されていて、またどんな新作を提示してくるのか楽しみです。
この展示をみて、人が、ひとがた造形に求めるものや価値を改めて考えます。やはり球体関節人形は日本人の心性にあっているのか、MICANさんや因間りかさんの作品を見ているとその健在ぶりを思います。元来、球体関節人形は機能性もしくは量産を前提に考えられた造形で、その意味ではコマーシャリズムと深く関わりがあるのですが、この40年来日本の創作人形においては、日本人の人形に対する精神性と技術への探求心が球体関節人形と結びついて、欧米では見られないような展開を遂げたのです。

2009年10月12日月曜日

第4回 人・形展 4

宇野亜喜良氏も人形への関心が高く、一見して指人形とは思えない3点の作品にタブローを添えて、小さいながらも舞台的な空間が広がっています。薔薇の模様が描かれた美女の小品は、ベルメールへのオマージュでしょうか、球体関節人形の概念を遊びながら宇野氏らしい官能を感じさせるものです。
概念を自由な造形に表出するのが、ひとがた造形のおもしろさの醍醐味だと思います。その点、ロシアやオランダの作家の発想は新鮮で刺激的です。今回の人・形展では海外勢が初参加、ロシアのサシャ・ペトロヴァの人形は頭部が極端に大きく、いびつだけど可愛いとも思えるバランスがあり、オランダのイボンヌ・フリプシの人形からはファンタジー本場の造形や色使いを見ることができます。ファンタジーという点では、DMで使われた林美登利さんのサーニットの「白蟻姫」は異様で可愛く、かつ白蟻の不気味さに重量感があり、そのミスマッチ具合が写真で見るよりずっと迫力がある力作でした。これは実物を見なければわかりません。丁寧で非常によくできた作品です。
「人・形展」は、素材や技法のアプローチを比較して楽しむには絶好の展示会なのですが、今回の技術レベルは大変に高いものです。江戸張り子の技法に忠実な荒井良氏の仕事の精緻さには、誰もが息をのむことでしょう。中島清八氏のマスクのシリーズ作品も素材こそ現代的なものですが、能面というモチーフを扱い現代人の表情が冷たく美しく切り取られています。それは新井氏の作品や、青野明彦氏のエレガントなマスク作品とともに、繊細な緊張感を会場にもたらしています。

2009年10月10日土曜日

第4回 人・形展 3

フィギュアやドールと呼ばれるマーケットが現状ほどに拡大する前から、Dollhouse NOAHさんは創作人形としての発表に併行してワンフェスやデザインフェスタなどで作品を発表し、コミックやポップカルチャーにつながるファンの裾野を広げてきました。NOAHさんはこの分野ではパイオニア的な存在です。ボークスからスーパードルフィーが出たとき、NOAHさんのコンセプトによく似た人形が出てきたと思ったものです。
創作人形界もプラスチックドールやフィギュアから刺激を受けながら様々な広がりを見せていますが、カウラさんはその申し子的な存在といえるでしょう。大竹京さんに人形製作を師事、魅力的なゲームキャラクターにもなりそうな球体関節人形で、今後の活躍が期待される新人です。
フィギュア的なアプローチでも、特殊メイクの世界で活躍するピエール須田さんの牛を模した豊満な女性のフィギュアや、黒川早恵美さんのサーニットのポートレートドールは、お二人の在米経験からか、アメリカンカルチャーを思わせるユーモアを感じます。
創作人形でもファッション性を魅力とする作品は、ドールファンにとっても関心が高いものでしょう。普遍的に女性の心をとらえるものでもあります。この展覧会へは初出品となった因間りかさんのビスクドールの迫力は堂々たるものがあります。宇野亜喜良氏の舞台美術に関わる野村直子さんの可憐で上品なセンスも見逃せないところです。

2009年10月9日金曜日

第4回 人・形展 2

世界的にも冷え込んでいるといわれる人形市場で、勢いが目立つのがプラスチック・ドールやフィギュアです。第一回からこの分野については、DFJで「ドール・ドール・ドール」の連載を執筆した古村昌史氏のアドバイスで、その分野で活躍する方々に出品していただいてきました。
この分野ではキットを組み上げカスタマイズの技も競われていますが、「人・形展」は原型からフィニッシュまでを手がける実力のある方が前提となります。常連の桜文鳥さんに加え、今年は二人組のユニット「きのこジュース」や西織銀さん、みつばち@Baby BeeさんとHIrokoさんのユニットが初参加となりました。彼女たちが出品した作品は、みつばち@Baby Beeさんがデザインと原型制作したパジコが市販予定の球体関節人形キット「Alice Rock」をベースに特別にご本人がカスタマイズ、Momokoドールの立ち上げに関わったHIROKOさんが衣装制作したものです。また、石山裕記氏のフィギュアにおける技術力やユーモアな造形も見応えがあります。フィギュアが概念の直球描写にあるなかで、赤城時雨氏や月光社の作品はフィギュアと起点を共有しながら、自らの男性の視線を相対化しているようにみられました。それぞれに意図的な作意には、現代美術作品としても通じる要素を感じます。月光社の作品は大きいビスク作品ですので、技術・素材的にはフィギュアの範疇にくくるのは妥当ではないかもしれませんが、そのボディ・外見、かつ素材にロリータへの欲望を反映させている点で、私はフィギュアとの共通性を見ています。なおかつ創作人形の流行の体裁をとりながら人形における玩具性を抽出し、露骨にしている点に作家の意図があるのかと想像します。深読みかもしれませんが、そうだとすれば、創作人形にそこまでのロジックを託す作家は希であり、それこそ日本発のポップアート作品としての参考例になるのではないかと思います。

2009年10月8日木曜日

第4回 人・形展

丸善丸の内本店ギャラリーで開催されている「人・形展」の初日に行きました。
第一回の企画の立ち上げを担当させていただき、ドルスバラードの主催で今年で第四回目を迎えます。
本欄に今、ポップアートと人形について考えをめぐらすことに、参考になる展観となりました。
本来この展示は、市場の方向に刺激を与えるため、ひとがたの造形の楽しみを様々なアプローチから紹介する試みとして始めましたもので、今年の出品者の作品ははその意向を反映するものになっています。
ドルスバラードのウェブサイトで全貌を見ることができます。

また、新しく立ち上げましたHAZEKI officeのウェブサイトにも会場写真をアップしました。
都合により出品者全員の作品写真を掲載できなかったことをあらかじめご報告いたします。
「人・形展 出品作品」(HAZEKI office撮影分)

2009年10月5日月曜日

ポップアート? 5

模倣したいくらい憧れる作家をリスペクトすればするほど、その人の作風をなぞって知名度をあげれば、かえって自分の価値を下げることになってしまうでしょう。かって胡粉仕上げの伝統的な技法で丁寧に人形を作る人が、一番尊敬する人形作家として天野可淡の名をあげたことがあります。可淡の真似をしようものなら自分がつぶれてしまう、、、そういうようなことを言っていたと思います。そういう感性ほど、真の表現者に求められるものだと思います。
もともと創作人形に限らず、表現された作品からは、模倣と商品価値の抽出が繰り返し行われているものだと思います。「球体関節人形展」の頃は、スーパードルフィー(SD)が日本のどの人形作家の特徴を抽出したものか、よく話題にあがっていました。球体関節人形の制作の仕上げだけを楽しめるSDのシステムは市場の支持を受け、爆発的に市場を拡大しアジア、欧米へと波及していくわけですが、それをさらに発展させたのは韓国の企業です。市場規模が大きくなるほど、安易でおいしい部分だけが抽出され、商品に反映されていきます。そういうことは、原初の表現に思い入れのある人間はプロデュースできないと思います。日本の人形作家やメディアは、私も含め、今にぎわっている海外のBJD(球体関節人形)市場にとって、さぞかしおいしい素材を提供し続けたことでしょう。
皮肉なことですが、これだけの状況と市場が整えば、ドールはポップアートの美術品に再利用される可能性がでてきたともいえます。

2009年10月4日日曜日

ポップアート? 4

先日外出した際に立ち寄った書店で、アメリカのファッションドール雑誌'HAUTEDOLL'の表紙が目に止まり、購入しました。それもそのはず、表紙の人形は世界創作人形展のSuperfrockのデザインによるもので、内容も彼らのデザインがかなり紹介されていました。大人向けのファッションドールに特価したこの雑誌は外見などは、かってのDOLLS誌などとよく似ていますが、近年ページ数や広告数が激減した同誌のかっての姿を彷彿とさせるがごとく、広告ページなども賑やかです。しかしアメリカで実績のある人形店やギャラリーの広告は見られず、「スーパードルフィーUSA」以外、私にはなじみのないものばかりでした。人形の市場やディーラーがきれいに入れ替わっている感じです。
ページを繰っていくと、なんとなく暗澹とした気持ちになりました。スーパーフロックやロバート・トナー、ジーン、ブライスあたりはついていけるのですが、個人の「アーティスト」として紹介されているような「ドール」には、天野可淡をはじめ、日本の創作人形作家の作品のおいしいところ取りといった印象を強く感じるものがあります。その一人のウェブサイトを見てみると、昨今日本のギャラリーで「耽美」や「少女」をテーマに描かれるような「現代美術作品」のような平面作品を「Fine Art」として紹介、本人もアニメっぽいキャラクターを病的に自己演出しているようでした。2004年の「球体関節人形展」のあたりから、日本国内で人形の少女趣味や耽美的な傾向が受けるということで、作り手や売る側も一緒になってイケイケどんどんで行った結果がこれなのだと思いました。あきらかにその影響が見られる天野可淡や他の作家の作風も、ひとつのカラーとして樹脂人形に商品化されてしまっているのです。はっきり言って不快でしたが、もうこの流れは止まらないでしょう。

2009年10月2日金曜日

コヤーラ・フェス#01出品者募集

次世代の作家が自主的に企画をおこし、助け合い運営するグループがあったら良いと思い、この夏にHazeki officeが呼びかけて「チーム・コヤーラ」を立ち上げました。
ドバイの出品もコヤーラとともに取り組ませて頂いたものです。
この度、チーム発足のお披露目、活動資金集めの目的で、「コヤーラ・フェス#01」というささやかな展示即売会を高円寺で行うことにしました。会期中に、銭湯「なみのゆ」の二階を使わせて頂いて、ドバイの報告会も行う予定です。
詳細は追って、こちらでお知らせします。
出品は先着30名の方を受け付けております。概要は以下の通り。申し込みご希望の方は、お早めにHAZEKI officeまでご連絡ください。申込書をお送りいたします。

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「コヤーラ・フェス #01」

開催 2009年11月27日(金)~29日(日)
   0pm~8pm(最終日6pmまで)

会場 自由帳ギャラリー
〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-18-11 (tel) 03-5373-0306

搬入:11月26日(木) 0pm~4pm
(宅配の方は、11/26 0pm~2pm着指定にしてください)
搬出:11月29日(日) 6pm~8pm
(宅配希望の方は、着払い発送となります)

条件
出品料:2000円
販売手数料:販売価格の20%

出品内容:自由
*出品内容は手作り感のあるものであれば、人形に限らなくても大丈夫です。おしゃれで低価格なものが喜ばれる界隈です。小物、アクセサリー、ポストカードなど。平面作品OKです。
点数:お一人につき、20点まで。
*創作人形や造形物を出品される方は、会場の広さの都合上お一人3点まででお願いいたします。
 一人あたりの展示スペースの目安 35cm x 50cmくらい(展示場所やアレンジは主催者にお任せください)。
*単価が1000円以下のものについては、1000円を1点として換算してください。(但し、それぞれにプライスタグ=当方で配布予定=をつけ、実際の点数は出品リストに申告してください。)

お申し込みについて

・会場の都合上、先着30名で締め切らせていただきます。
・出品を希望される方は、郵送、ファックスかEメールで申込書、もしくは申し込み内容をお知らせの上、2000円を指定振込先へお振り込みなさるか、現金書留でお送りください。お申し込みから1週間以内にご送金が確認できない場合は、キャンセルとさせていただきます。
・ご入金の確認できた方には、管理番号のついたタグと出品リスト表をお送りします。

その他詳細は、お申し込みされた方に直接お送りいたします。