2010年5月30日日曜日

河野甲レザーワーク展

今日が最終日になってしまいますが、河野甲さんのレザーワーク展を見てきました。
河野甲さんは、人形作家の河野滋子さんのご主人です。

河野甲さんは革で、昆虫や動物をモチーフに造形作品を作られています。その質感は一見、金属の硬質感や重量感、磨き上げれた木の深い柔らかさを思わせますが、素材が革なのです。それを知ることが、視覚と知識の間に心地よい軋みを感じます。そして河野さんの完璧な仕事に通底している静謐感は、職人性と作家性を融合されている優れた例だと思います。大きな作品には、昆虫の世界や姿に対する河野さんの観察と思考の深さが、その造形に映し出されています。
会場であるギャラリーは、根付けを扱ってらっしゃるようですが、河野さんのような現在の作家にも注目されており、面白い仕事をされていると思いました。
(コヤーラのブログにも投稿)

と、書きましたが、ここに追記します。この展示では、昆虫の世界だけでなく、展示タイトルが「獣貝草虫の博物誌」とあるよに、他の生き物もあり。蝸牛のオブジェは、その「張り付いている感じ」と動きの描写が圧巻でした。

2010年5月24日月曜日

コヤーラの展覧会情報ブログ

チーム・コヤーラで、人形展展覧会情報ブログをつくりました。
http://koyaala.exblog.jp/
展覧会が終わってからも、見に行かれた方の感想や批評などのコメントをブログから書き入れることができます。但し承認制をとっておりますので、ご了解ください。
展覧会情報がありましたら、チーム・コヤーラ宛に写真・会期・時間・会場住所・連絡先その他の情報をお送りください。
よろしくお願いいたします。
http://www.ab.auone-net.jp/~koyaala/

2010年5月20日木曜日

船本恵太さん、ラジオ出演

パペットアニメーションで活躍している船本さんが、22日にラジオFM放送のJ-WAVEに出演されるというお知らせを頂きましたので以下に転載します。人形のお話もされるとのことです。電波の届く方はぜひ!

J-WAVE 「Levi's CROSSOVER JAM」
5月22日(土)20:00〜20:54

塚本晋也監督と人形アニメーション監督船本恵太による対談。ストップモーションについてのお話はもちろんのこと、球体関節人形や暗黒舞踏やナゴムやクエイ兄弟やシュヴァンクマイエル等のお話、さらに「狂気について」「都市について」「身体について」「リアルについて」「創作の原点について」「CGと3Dについて」等についても語り合います。

告知映像
http://www.youtube.com/watch?v=KNq4leZ1Tjc

番組サイト
http://www.j-wave.co.jp/original/crossoverjam/

ネットでもJ-WAVEが聴けるようになりました。こちらです。
http://radiko.jp/

2010年5月12日水曜日

ひなげし追記

昨日、「ひなげし」が「時計仕掛けのオレンジ」の女の子版と書きましたが、ちょっと簡単にまとめすぎてしまったので、補足を。
私の見た狭い範囲ですが、チェコの映画はイジイ・バルタなどを見てるいると、耽美的でアグレッシブな映像美術を展開しながらも、テーマは反戦などの社会的なメッセージが明快なものが多いように思います。「ひなげし」でも、若くて可愛い女の子が、ことあるごとに「お腹空いた」と言いながら、飽食と享楽の生活の果てに、クライマックスではフォーマルディナーの食卓のテーブルと料理を食い荒らし踏みにじります。しかし反省をしてそれを元に戻そうとして掃除を始め、これで片付いたと思ったところで結末は・・。
この作品は、発禁処分を受けた秘蔵のフィルムだったらしく、それが公開されるようになってからはそのファッションやサイケデリックな描写が取り立てて評価されているようです。しかし私の世代にとっては、そういうところは過去の反復されたイメージにすぎず、それを繰り返し見せられることに殊更興味はわきません。若い世代はともかく、それがビジネスになるからとブームをあおるなかに我々の世代がいるならば、その思惑を考えると気恥ずかしくなります。
それよりも、日々享楽のみを求め飽食に明け暮れる現代日本人の姿とダブるところが多々あるように思いました。三浦展氏が「下流社会」関連の著書で警鐘をならしている現代日本社会の構図にも、この映画に通底して流れる「危機感」のセンスと共通するものを感じます。
そういう意味では、とても現代にマッチする映画だと思いました。

チェコ舞台衣装デッサン展

今日は早稲田演劇博物館に、チェコ舞台衣装デッサン展を見てきました。
サロン・ド・シモンのときに、ポポヴァ姉妹の通訳で助けてくださった上田洋子さんは、この演劇博物館で助手をされています。この展示も上田さんの企画だというので、楽しみに見て来ました。
早稲田演劇博物館は、一度は行きたいと思いつつ、今までチャンスがなかったのでいい機会でした。その古い洋館も素敵で、古い木枠のドアを開けたときの空気と匂い、一気に何十年もタイムスリップするかのような重厚さでした。上田さんの企画のチェコ舞台衣装デッサン展では、「ロボット」という名称を生み出したヨゼフ・チャペックの原画を見ることもできました。レンピッカの仕事をした記憶が新しいので、1920年代におけるアールデコの関連でも興味深く鑑賞しました。
同展は5月20日まで。
http://www.waseda.jp/enpaku/introduction/index.html

帰りは高田馬場駅への道なりで、早稲田松竹で上映中のカルト・ムービーの二本立、チェコの「ひなげし」と、ロシアの「不思議惑星ギンザザ」を鑑賞。
「ひなげし」は、「時計仕掛けのオレンジ」の女の子版のような印象を受けました。悪女的な女の子が勢いよく物を食べるシーンが印象的で、シュヴァンクマイエルも「食べる」シーンをしつこく描写するのは何故かいな〜と、見ていてお腹一杯な感じになりました。その次の「ギンザザ」ではナンセンスギャグとジャンクアートのてんこ盛り、好きなセンスだけれどこれにもお腹一杯で、笑うにも力が出てこない、という体力勝負の二本でした。
く〜っ!

2010年5月7日金曜日

第2回世界創作人形展終了しました



去る4日、二回目の世界創作人形展が終了しました。
今年は飛び石連休ではなくて、5連休、しかも快晴となったためか旅行などに出向かれる傾向があったようですが、お休みなりの忙しい時間のなか、会場にお越しくださいました皆様には、心から感謝申し上げます。
後半は暑さも感じるほどの初夏の陽気に、海外勢は少しバテ気味。でもロシアの若いカップル達は意欲的に東京探索。カツャ・ポポヴァのパートナーのミハエルは、来日直後から「海はあるの? 泳げるの?」の質問ばかり。まだ季節じゃないけど・・と、ウルトラモダンな風景を楽しめるモノレールを使ったお台場海浜公園コースをお勧めしたら、ミハエルはしっかり泳いできたそうです。
それは余談ですが、人形のイベントもいくつか重なった時期でもあったので、海外の作家との交流の機会をもっと多くの方に利用して頂きたかったと思いました。フリートークも、アメリカ、ヨーロッパ、ロシアのそれぞれ成長段階の異なる市場の実情が伺えて、考えさせられました。
他にもあれこれ思うこと多く、片付け作業などをしながら考え続けていきたいと思っています。

世界創作人形展は、グラフィック社の「映像+」、同社の「Dolly Dolly」、飛鳥新社の「季刊エス」で取材されました。
もちろん、「コヤーラ通信」も世界創作人形展リポートを掲載します。
DFJ時代から、しっかりした文章で興味深い感想をいつも送ってくださっていたFさんにリポートをお願いしたら、快諾して頂きました。私も楽しみです。お楽しみに!

2010年5月4日火曜日

会場じゃないと見られないシリーズ3



いよいよ展示も今日が最終日。
初日に、ポポヴァ姉妹から私へと、特別なプレゼントを頂きました。
それがこれです。私の名前も刻印されていてどうしよう!と思うくらい嬉しいギフトでした。
作品としても素晴らしいものなので、了解を頂いて彼女たちの作品の横に飾らせてもらっています。

2010年5月3日月曜日

会場じゃないと見られないシリーズ2




ロシアのリディアのBJD(球体関節人形)、Flumoという粘土を使った一点物です。
球体関節人形に惹かれてそれだけを目指して独学で制作を始めた、ロシアでもニュータイプの作家。
まだ赤ちゃんを子育て中のお母さんですが、とても頑張ってます。小さなボディに精巧な関節。ポージングも楽で、安定しています。1m半から落としたこともあるそうですが、壊れなかったとか。関心のある方は、明日で展示が終了。ぜひこの機会にご覧になってみてください。

2010年5月2日日曜日

会場でないと見られないシリーズ



世界創作人形展の会場からの写真を、公式ウェブのトップページの写真に追加しました。
会場でなければ見られない人形の表情、風景や空気。
写真ではそのほんの一部しかお伝えできません。
写真は、ネル・グロッテデのサーニットで作った赤ちゃんの人形です。
人形との出会いは一期一会。
お見逃しのないようにぜひ、会場に足をお運びください。