2008年11月23日日曜日

NINGYOとDOLL - 3

では、愛玩性を特徴とする人形として「ドール」がなぜ妥当な新語かという理由ですが、語源を調べるとわかります。このことは私はDFJ最終号で書きましたが、繰り返すと1750年代にイギリスのバーソロミューという市で人気のあった玩具の木製の関節人形「バーソロミュ−ベイビー」を、ある業者が自前の製品を差別化するために「ドール」という商品名をつけてヒットしたのが始まりだとされています。つまり、今、私たちが「バービー」や「ドルフィー」と呼んでいる名前が一般化して、その総体をあらわす国際語までになってしまったようなものです。
ですから「ドール」は人形に含まれるが、人形そのものの概念を包括し得ないわけで、それでも人形を「ドール」という人には、人形の愛玩性以外の特徴を認めないような強い意志を感じてしまいます。それは私が言葉に敏感になっているせいかもしれません。でも、動物が「ペット」だけではないように、人形も「ドール」だけではないので、それは自分のできる範囲で正し、海外でも、「あえて訳さない日本語」として使っていきたいと考えてます。