2009年10月10日土曜日

第4回 人・形展 3

フィギュアやドールと呼ばれるマーケットが現状ほどに拡大する前から、Dollhouse NOAHさんは創作人形としての発表に併行してワンフェスやデザインフェスタなどで作品を発表し、コミックやポップカルチャーにつながるファンの裾野を広げてきました。NOAHさんはこの分野ではパイオニア的な存在です。ボークスからスーパードルフィーが出たとき、NOAHさんのコンセプトによく似た人形が出てきたと思ったものです。
創作人形界もプラスチックドールやフィギュアから刺激を受けながら様々な広がりを見せていますが、カウラさんはその申し子的な存在といえるでしょう。大竹京さんに人形製作を師事、魅力的なゲームキャラクターにもなりそうな球体関節人形で、今後の活躍が期待される新人です。
フィギュア的なアプローチでも、特殊メイクの世界で活躍するピエール須田さんの牛を模した豊満な女性のフィギュアや、黒川早恵美さんのサーニットのポートレートドールは、お二人の在米経験からか、アメリカンカルチャーを思わせるユーモアを感じます。
創作人形でもファッション性を魅力とする作品は、ドールファンにとっても関心が高いものでしょう。普遍的に女性の心をとらえるものでもあります。この展覧会へは初出品となった因間りかさんのビスクドールの迫力は堂々たるものがあります。宇野亜喜良氏の舞台美術に関わる野村直子さんの可憐で上品なセンスも見逃せないところです。