2012年3月21日水曜日

シルヴィア・ナトゥラー

今日はちょっと、ショックなお知らせです。
というか、彼女から来たメールを開けて、私がショックでした。
あの可愛い人形で日本でも人気が高いシルヴィア・ナトゥラー。
彼女の最新作です。
シルヴィアは社会問題に関心が強く、会えばいつでもその国の文化や女性問題など、いつまでも話し込んだりしました。
売れっ子だっただけにビジネスに疲れを感じ、人形から離れたい、とこぼすことも少なくありませんでした。その言葉を実行するように、ここ数年はメジャーな人形展示会に顔を出していません。
制作もしなくなったという彼女からは、陶芸のトルソの写真が送られてくることもありました。

その彼女が、今回の誘いに「新作の人形を作ります」と答えてくれました。
今の思いを表現します、という彼女の言葉に、どういう作品がくるのかとても気になっていました。
そして、この写真が届きました。
もちろん、この作品にはメッセージが込められています。

たぶん、シルヴィアが老婦人を作ったのは初めてではないでしょうか。
最近、シルヴィアは90才になるご自分のお母様を引取り、介護と、一才のお孫さんの面倒を見ながら生活しているそうです。
制作の時間はまともにとれないかもしれない、と書きながら、この作品に臨んでくれました。この作品の飾り付けには、あと2点の作品が組み合わさります。ツィッギーというタイトルのお洒落で美しい若い女性が乳母車を押している形になります。

60代になったシルヴィア。自分の世代が、赤ちゃん、若い世代、そして親の世代に対して責任を負っているのが現代の実情、、、という思いが込められています。さらにシルヴィアからのプレゼントつきのメッセージがありますので(プレゼントはお一人だけ)、世界創作人形展の会場でご案内させて頂きます。