去る2月5日に、元ドルスバラード専務の齋藤安弘氏が逝去されたという報せがありました。齋藤氏はドルスバラード創立時からの役員で、1970年代から日本の創作人形の市場の最前線で活躍、現在のドルスバラードになってからはしばらく顧問を務めた後に引退、悠々自適の日々を過ごされていました。今回突然の訃報に接し、多くの人形作家の方々が驚き、悲しんでいます。
『ドール・フォーラム・ジャパン』では 、齋藤氏に「ドルスバラード物語」を連載執筆して頂きました。
1976年に、「日本に世界の民族人形を紹介する店を持とう」と、エジプトのカイロからイタリア、オーストリア、スイス、フランス、スペインと人形を求めて旅をした話から始まります。そしてヨーロッパのビスクドールブームが広がると同時に、創作人形の紹介に力を入れてきました。よねやまりゅう、岩切克樹・映幹子、三輪輝子各氏を筆頭に、どれだけ多くの方が「齋藤専務」のお世話になったことでしょう。一年中全国の催事場を回り、創作人形市場を築いた立役者でした。相談役に退かれてからも、作家の人たちからはいつまでも「齋藤さん」「齋藤専務」と親しまれていました。
余生をゆっくり楽しんでいることを楽しそうに綴られた今年の年賀状が届いたばかりだけに、言葉を失うばかりです。
心より、 氏のご冥福をお祈り申し上げます。
「ドルスバラード物語」
『ドール・フォーラム・ジャパン』2004年41号〜から2007年終刊号まで連載
各号のタイトル、入手方法は下記まで
http://nonc.jp/gallery_nonc_platz/backnumber/