2009年9月27日日曜日

ポップアート?

土井典さんの展示会場にいたときに、一人の中年女性がふらっと会場に入ってきて、短時間で一通り見終わってから、「ポップアートなんですね」と話してました。「いえ、違いますよ」と、土井さんが即答してました。
このやりとりを聞きながら、土井さんの作品はポップアートでの文脈の解釈もありだと思っていたので、私はこの応答がちょっと意外でした。しかしその後で、文脈云々の前に土井さんは、この女性が短時間で鑑賞を済ませてポップアートとして決めつけた態度そのものに土井さんが『否(いな)』を表明したのかと考えました。

それは私も思い当たることがあります。数年前に現代美術系のイベントで創作人形についてのレクチャーをしたことがありますが、当時はちょうど球体関節人形ブーム再燃、少女人形ブーム到来の時期でした。
私は創作人形に対する認識が、そのような傾向一辺倒になることに危惧を覚えていたので、当日はその話をずいぶんしました。すると主催者は、創作人形をメディアがポップアートとしてみようとしていることに対して、そんなに目くじら立てなくても、というコメントをしていました。
うーん、私は目くじらたてていたんですね。そうかもしれないです。