2008年12月19日金曜日

サシャについての文

世界創作人形展のサイトを少しずつメンテしてます。
フォトアルバムのページから、サシャのアルバムへのリンクがエラーになっていたので、新しくイヴォンヌの下に張り直しました。それによってレイアウトもそろえられたのですが、消したはずの元のサムネールがまだ表示されるみたいです。何度もデータを見直したのですが、HTMLの壁は厚く、、、それにしてもあるはずのない画像があがってるのでこれは幽霊サムネール??? 

ところでサシャについてもっと教えて、と伝えたら、彼女に関する小文が送られてきました。それで彼女が小説家だったんだということを知り、あのポートレートもなるほど!と思いました。ロシアの作家はプロフェッショナルな前歴があって人形に転身する人がいます。それだけロシアでは可能性のある分野ということなのでしょうね。
***

サシャ・ペトロヴァのこと
文 アンナ・バトマノヴァ
サシャが部屋に入ってくると、誰もが注目する。赤毛、陽気なたくさんのソバカス、そしてチャーミングなスマイル。これがサシャ・ペトロヴァ。とにかくエキセントリックで、想像力に満ちている女性。
サシャは、ウラルの工業都市で育った。そして思春期を町から町へ、旅をして過ごした。シベリアにもしばらくいたことがある。そしてモスクワに来て、初めてモデルの仕事をし、小説を書き、ともに成功した。しかし文学の仕事が絶頂期だったときに、彼女はいきなり止めてしまい、ゼロから創作人形を作り出したのだ。作り方などまったく知らずに! そうやって人形制作を始めたのが3年前のこと。今までに国際的な賞を受賞した作品を含む幅広いコレクションを制作してきている。彼女の人形はもはやドールとしてではなく、アートや彫刻とよぶ人もいる。サシャはさまざまな技術を異なる材料で試みた。だが、その壊れやすさにかかわらず、依然として気に入っているのはビスクである。制作の発想は、現代美術や古い絵画、写真から得る。
人形制作はサシャの生活の中心となっている。彼女はこのビジュアルアートにオリジナルで新鮮な様相をもたらすのだ。サシャにとって最大のゴールは、ステロタイプからの脱却である。玩具と美術的な人形の間にある人形を模索する。彼女の人形は愛玩用ではなく、世界にメッセージを表現するためのものなのだ。それらはきれいでも可愛くもない。怖そうだったりショッキングな印象で、人を不快にしたり、逆にかしこまったりするかもしれない。とにかく彼女の人形に対して無視できず、何らかの感情をかきたてられるはずだ。だが、サシャにとって人形がかけがえのない命というようなものでもない。彼女は、人形はただの物体でそれ以上の何ものでもないという。彼女は、人形は人の模型だけど、決して人になりえるものではないと考えている。反面、ただの手工芸品とも隔てて考えている。その困難な技術や繊細な職人仕事によるものだからだ。サシャによれば、創作人形は彫刻を複雑にしたタイプ、なのだそうだ。サシャはこの新しいアートに人気が集まり、市場も広がるだろうと考えている。彼女の夢は、人形がいかに精神的な深さをもった象徴し、伝統と新しい概念を混合しうるものであるかを人々に見せることである。サシャ・ペトロヴァは世界中を旅してきたけれど、日本はまだしたことがない。日本を訪れこの国の不思議を発見する日を楽しみにしている。